卵巣嚢腫体験記

卵巣嚢腫に3回罹った27歳の体験記。どなたかのお役に立てれば幸いです。

初めての卵巣嚢腫〜6歳

さて、私が初めて卵巣嚢腫に罹った時のことを書かせていただきます。

私が初めて卵巣嚢腫に罹ったのは、6歳の夏でした。

その日は夏休み中で、家には一緒に暮らしている祖母と、まだ小さい妹がいました。

その日は朝7時くらいに腹痛で目が覚めました。

その時の感覚は便意に似ていて、元々お腹を壊しがちだった私はその時も「またお腹が痛いや」といった気持ちで起き抜けにトイレに駆け込むだけでした。

その後リビングに降り、朝食を食べつつ何度もトイレに向かいました。

祖母も、お腹をよく壊す私のことはよく知っていたので、さほど気にしていないようでした。

激しい痛みが唐突に来たのは、起きてから1時間くらい経ってからだったと思います。

お腹の中が引きちぎれるような、ズキズキとした激しい痛みで、文字通りリビングの床を転げまわりながら「痛い、痛い」と口にしていたことを覚えています。

祖母はびっくりして救急車を呼びました。

救急車が到着する数分でさえ、途方もない時間に思えました。

救急車が到着してから、行き先の大学病院が決まったのはすぐでした。

一週間前、その大学病院で左下腹部(ヘルニアか脱腸)を手術したばかりだったからです。

その時は祖母も、連絡を受けた両親も、救急隊員の方も、皆以前の手術が原因の痛みだと思っていたようです。

病院に着いてからは、実はあまり沢山の記憶がありません。

とにかく痛くて苦しくて、駆けつけた母や祖母に抱っこして貰いながら、診察を待っているところだけははっきり覚えています。

痛みで起き上がれず、また背筋も伸ばせず横になり丸々ことしかできなかったため、レントゲンや様々な診察に時間がかかったと、あとで両親から聞きました。

6歳で卵巣嚢腫に罹るのは、大変稀なことなのだそうで、原因がわかるまでに痛み止めも無く7時間近く罹ったと聞いています。

最終的に婦人科で卵巣嚢腫茎捻転だと判明した後は、緊急手術でした。

結局、左卵巣は全摘になりました。

取り除いた卵巣は4cm程に肥大しており、中には髪や歯が入っていたそうです。

どうやら勝手に細胞分裂をしてしまい、髪や歯ができてしまったということでした。

手術費、入院費でトータル30万円ほどかかったそうです。

この時の痛みは、"左側"といったような部分的な痛みではなく、お腹全体が痛くなる感覚です。

感覚的な表現で申し訳ないのですが、激しい痛みが起こる前は、しぶしぶとした、生理痛のような生っぽい痛みに似ていました。

そこから唐突に、息のできないような痛みに変わりました。

まだ幼い女児の腹痛を、即座に卵巣嚢腫だと判断することは難しいことだと思います。

今は分かりませんが、当時はあまり症例がなかったようでした。

女の子が転げまわるようにお腹を痛がった場合、時には私のような症状もあり得るかもしれないということを、心の片隅に留めておいていただけると嬉しいです。

7時間の待機時間は、本当に地獄のようだったので…